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ラブ❤ゲー!
第5章 可笑しくなってあげる
とりあえず、実家を家宅捜索してもらうのはおいおいにしてもらおう。

「お、お嬢様……」

後ろで柳が顔を真っ青にしている。
お母さんは、泣きそうな顔で息を潜めている。


「アンタが浚ったようなものでしょー、とりあえず家に帰しに来てね。後、何かしたらどうなるかわかってる?」
「……ちっ!」
「貴方を守ってくれる人はお父さんだけだったのに、反抗なんてするから」
「女にっ……! 女に養われるなんてごめんだ!」
「悪いけど、貴方みたいなレイプ魔に養われるのもゴメンだね」

電話の奥から歯軋りをする音が聞こえる。
その時、黒い感情が一気にあふれてきた。
そうだ、そうだ。
もう道化師にならなくていいんだ。

「それじゃあ、はやーくきてねーっ!貴方も早く私と縁を切って、もっとおっぱいの大きい子と付き合いたいでしょ?」
それだけ言うと、私は電話を切る。
これだけなんだけど、スッキリした。
後は、問題解決に突き進むだけ。

「桜、実家から暇な執事を急いで連れてきて。お出迎えの準備をするわよ」
「畏まりました、お嬢様!」
「お嬢様、あ、あの。何故旦那様達をヴァーチャル世界から救い出さないんでしょうか?」
「きちんとケリをつけないと、マリーさんや他の人も救えないじゃん」
「旦那様だけの身柄を確保しても、どうにもならないかと……」
「誰も、お父さんの身柄だけ確保するとか言ってないでしょ?」

ふふっと笑うと柳はあっと声を上げた。

「隼人本人の身柄も確保ですか」
「そうそう、エリアスさんがレイプギルドのマスターのIDは不正IDだから足取りがつかめないって言ってたから」
「ねぇ、聖ちゃん。隼人君が来てもお家には二台しか機械はないのよ? どうするの?」
その言葉に、私は声をつまらせた。

「お嬢様、今直に買ってきます」
「お、お金ないから……」
「お母様ね、貯金してたの」

ふわり、と笑ってお母さんは通帳を差し出した。
お嬢様育ちで世間知らずなお母さん。
いつもは何もできなくて、わたわたしてて、何やらしてももたもたしてて遅いけど、こういういざって時には力になってくれる。
頼もしくて優しいお母さん。

「ありがとう、お母さん」
「いいのよ、こういう時に使う為のお金だもの」
「それでは、行って参ります」

柳も外に出て行って、家には私とお母さんと、眠ったたっくんの3人になる。
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