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ラブ❤ゲー!
第5章 可笑しくなってあげる
「んあー? なんかあったのか?」
「……はい、拓斗さんにIDを渡した人物と、渡されたIDがわかりました」
「ほー、誰だ?」
「……渡したのは、執事の睦月。渡されたIDは、マリーのIDです。マリーは別な事件に巻き込まれたと推測します」
「ちっ、面倒な事を起こしやがって」
「……VRMMOの事件ですから、共犯者はこの者意外にも複数いる様子。実際に優勝をして、運営から情報を引き出さないと解決は難しいかと……」
「あー、もう。次のバトルは半年後だってのに、後半年待てって言うのか!?」

うんざりしたように、大牙さんはため息を付いた。

「そういえば、昔何処かのゲームが服のブランドとコラボした時に、何やら大きな行事が開かれたと聞いたぞ」
「お父さん、よく知ってるね」
「拓斗がそのTVを見たがってな」
「コラボって言っても、あのゲーム売れてるからなぁ。相当金を積む事になるぞ」
「そうなると、黒字も叩きだせる企業じゃないと……」
「それに、ギルドバトルできるような内容のコラボじゃないと」

黒字を叩き出せて、なおかつ内容もギルドバトルに繋がるようなコラボ。
何か何か……、そう考えていると一つの企業が思い当たった。

「確か、親戚の一人につい最近ヴァーチャル世界専用の警備会社っていうのを設立した人が居たっけ?」
「あー、そんな会社があったな。お義父さんに話して交渉してもらうか」

やっぱり、自分では動かないお父さん。
その人は、おじいちゃんよりお父さんのほうが仲いいのに。

「旦那様、出勤のお時間です」
「うーん、もう少し……」
「駄目です、席を立って下さい」

時間は、もう7になっていた。
蒼さんも釣られるように席を立った。

「蒼、よろしくお願いしますね」
「……お昼には届くと思う」

桜が、何かお願いしたのかな?

「ん、何か頼んだのか?」
「ええ、拓斗様がどうしてもVRMMOをしたいとおっしゃられまして……。それで、警察のダイヴマシンと、訓練用のIDを譲って下さることに」
「あー、それか。それは、今回の事件用に緊急で作られた擬似ヴァーチャルワールドだから。事件が解決したらデータは削除するぞ」
「その事に関しましては、拓斗様も承知の上です」
「ふーん、ならいいけど」
「とりあえず、柳が戻ってきたら荷造りしてくるから、午後からゲーム行くか。それまでに用し終わらせとけよ」
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