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ラブ❤ゲー!
第5章 可笑しくなってあげる
「そっか、今回は桜と柳の情報を聞き出すためだもんね」
わかってはいるらしいけど、ちょっとショックみたい。
ずっと、遊びたかったんだもんね……。

「でもいいや、とりあえず行こー!」
たっくんは、意気揚々と外に飛び出すものの、私を待って、そのまま後ろにくっつくような感じで様子を伺い始める。

「おいおい、そんな様子で潜入できるのかよ……」

大牙さんがため息を付くのも無理はない。
だって、私の後ろに隠れてひょっこりと顔を出しているだけだから。

「……VRMMOは、知らない人ばかり」
「そうだよ、大丈夫?」

たっくんは、ゆっくりとうなずいた。
喋るのが怖いという気持ちとそれでも、ゲームがしたいという気持ちが半々見たい。

「VRMMOするにしても、一人でずっとやり続けるのは飽きるぞ? 一人でやるのにも限界があるし」

生きていくにも、限度はある。
それでも態度を変えないたっくんに、大牙さんはため息を付くと「行くぞ」と合図する。
そして、案内されたのはガラス張りの美しい部屋に、無数のダイヴマシンやお菓子がならんである部屋だ。

たっくんは、お菓子を食べたい様子で、そっちのほうへ行けと私を引っ張る。
……しょうがないな。

マシュマロのほうに行くと、そっちじゃないらしくもっと奥へ行けと引っ張られた。
……何処なの?

チョコレートのほうへ行っている途中に、また引っ張られる。
行き過ぎらしい。

「おいおい、流石にそんな時くらいおねーちゃんを離してやれよ」

大牙さんに盛大にため息をつかれて、たっくんは様子を見るように大牙さんを見ていた。
私を掴んでいる手に力がこもったので、もういいやと合図された証拠だ。

「もういいんだってさ」
「なーんだ、そりゃ」

温室育ちにしすぎたせいだ、ちょっと大切に育てすぎたかもしれない。

大牙さんが、水中花が浮かんだような美しいアイスを取り出した。
その時、たっくんがまたひっぱる。
……あれが食べたかったのか。

仕方が無いので、隣に行くけれど、近くに居る大牙さんが遠くに行かないと食べたくないらしくて動かない。
けれども、大牙さんが椅子に座って寛ぎ始めて。
待ちくたびれた蒼さんも、シャーベットを食べ始めた。

「何もしてないって」

ため息を付きながら、大牙さんがアイスを食べる。
わざとわかっていての行動だったらしい。
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