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ボクと世界樹
第1章 悩み続けて幾光年。(序章)
カチャ、ギィ‥と扉を開ける。ノックや応答もなく。何故ならそんなものこの姉弟間には必要ないからだ。この、双子の姉弟には。
「‥リン」
双子の弟、鏡音レンは、静かに姉の名を呼んだ。
「‥レン」
常は力強い、幼さの残るリンの声がこれまた先程のレンと同じ位やけに静かで、月光に反射されたリンの、小柄ながらも細くしなやかな肢体を包み込んだ。
「‥ミルクティー、お持ちしましたが‥召されますか?」
そんな慇懃な双子の弟に、リンは少し悲しげに眉を下げうん、と頷いて見せた。…執事に堕としたのが私であるのだと、また胸に罪悪感のような寂寥感のような、恋しさが渦巻いて‥レンの持ってきたミルクティーを、音もなくその形の良い小さな朱唇へと近付けた。―――そのミルクティーに入れられているのが何なのか、解っていて。 そうして速効性なのか、早くも体が熱くなってくるのを感じながら、未だ扉脇に居るレンに視線をやった。‥そうして彼の表情を見た瞬間、‥この先リンは許されない気がした。
レンを堕とした罪から。 自分達双子の犯した禁忌から。
…ああ、今夜嵐がやって来る。そう窓の外から聞こえてくる激しい木枯らしを聞きながら、レンが私の座っているベッドにゆったりとした足取りで向かって来るのを、火照ってきた体をおさえながらじっと見つめていた。
――その月光に反射された整った少年の顔に妙に妖しい表情。ゆったりと何処か悠然としていてそれでいて楽しんでいるような足取り。…少年はリンの元に辿り着き片手をリンの傍らにギシ‥と弾ませ、また片手で元々其処まできつく結ばれていないネクタイをシュ…と緩ませ放し、今度はこれ以上無く穏やかな綺麗な表情を見せて。
「リン」
ただ、それだけ吐息と共に吐き出すように囁いて。
二人の影は薄暗い部屋の中、沈んでいった。

甘い甘い、あまりに甘過ぎる波動の中、それでもリンはレンの瞳を逸らさず見ていた。
レンの一連の動作を見つめながら、微かに自身も甘い吐息と喘ぎ声を漏らして。
そうしてやっぱりリンは何時もひとり納得するのだ。
――――レンは獅子なのだ。
今のレン程、その表現がよく似合う。内心普段人当たりの良いレンにいつも黄色い奇声を挙げている女子達に見せたら‥と、リンは一人ごちた。
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