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ボクと世界樹
第2章 ねぇ? 問う、応える。
――ヒュウ、という何時もより多少穏やかな木枯らしで目を覚ます。
「あ‥」
レンがいない。
‥理由は、解ってたけど、やはり…寂しさはどうしても感じた。‥―――さて、準備時間だ。 ひとりごちる暇は今日はなさげだから、早くしなければ。
何たって、今日は私が‥男装での初登校日なのだから。
‥‥‥レンは、私の男装制服姿を見て、笑顔のままビシッと数秒文字通り固まって
『――…。大変似合っておられますよ、リンお嬢様』
なんて直ぐ様とっても模倣的言葉を口にした側から(レンにしては珍しく) ぱっと顔を背け…何処か遠い複雑そうな瞳をしていた。
(そんなに可笑しいのか…?)

此処世界樹に比較的近い世界のとある名門校に通うこととなった鏡音リン(14才)だが、とあるネックがリン…いやリンとレンにはあった。 リン・レンは元々世界樹に通じる血筋で、双子の姉弟として生をうけた。…だが、リンは禁忌を―――リンが、レンを悪戯に誑かし――双子の姉弟は交わったのだ。それはいけないことで、やればどうなるか、誰もしらないことで。
――結果的に何もなかったとしても、罰は下される訳で。
そうしてリンは行為に及んだレンを執事に堕とし、自身はレンも同じく今までのありとあらゆる記録を消され、監視の目が行き届く偏狭の名門校に(但し念を入れて男装で)通うことになったのだった。
‥別に、良かったのに。そう思いながらもここに送られて数ヶ月、まともにはレンやレン以外の家人とも話せず、外にも出られなかったので少しだけ‥嬉しいのはバレてないハズ。‥いや、レンにはバレてるだろうな、うん。
と、其処まで物思いに耽っていると、やけに広く少ない生徒の教室へと案内され、模倣的な自己紹介を終わらせた。 ‥何だかレンに対するような視線を多々感じるが、サラリと流しておこう。
帰宅後、所用を終わらせさっさと寝ようとベッドにぼすんと寝っ転がる。うとうとと睡魔が本格的に襲う…。
が。
――――ダメだ。
寝てしまったら‥‥ その時キイと扉が開き、トンと素早くベッドに近付く足音がし「リン」と鈴を転がすように紡がれて私は跳ね起きる。「‥あはは、ちゃんと起きれたねリン。そんなにイヤだった?」 ボクに酷くされるのは。
―――私は応えなければならないから。
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