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背徳の扉
第2章 家庭事情
そして何度も施設に遊びに行くユリは相変わらず翔と智と3人で遊ぶようになった。
まだ幼稚園児の翔はお昼寝の時間があり布団の中で静かに寝息を立てている。
ユリは優しく見守っているその傍らに智が居る。
智は少し刹那そうにユリと翔を見つめている。
それに気づいたユリは智を散歩に誘った。
ユリ:「ねえ、貴方の事も教えて?」
智:「え・・?」
ユリ:「どうして此処に居るの?両親は?」
智:「・・・聞いてどうすんだよ」
ユリ:「だって気になるんだもん」
智:「・・・・」
ユリ:「やっぱ良いや。じゃあ私の話し聞いてくれる?」
智:「・・・うん」
ユリ:「私もね・・親居ないの。」
智:「・・・そう・・なの?」
ユリ:「翔くんや貴方と同じになるのかな?私を産んだ両親は離婚して新しい相手見つけては別れたりを繰り返してるらしいの。両方とも私が邪魔みたいで親権手放して・・可哀想に思ったのか父親の祖父・・もう死んじゃって居ないけど私を拾って養子にしてくれてしばらく一緒に住んで、1人で生きて行く為にお芝居の稽古を付けられて今の仕事してるの。」
智:「・・・・」
ユリ:「ただ単に哀れんでる訳じゃないって分かってくれる?同情って言われたら否定はしないけど翔くんを引き取りたいのは私の我がままよ。その我がままついでに貴方も引き取りたいって言ったら貴方は付いて来てくれる?」
智:「は?」
ユリ:「私家族が欲しいの!・・・ダメかな?」
智:「・・・・///」
ユリ:「貴方も一緒だったら翔くん絶対喜ぶのにな・・それに・・引き取りたいなんて言ったけど・・仕事ある時翔くん1人っきりに出来ないし・・」
ブツブツ小言を言うユリに困った様に頭を掻く智
智:「分かったよ・・俺も一緒に住むから・・宜しくね?母さん?」
ユリ:「!///」
ユリは嬉しくて智に抱きついた。
智:「わっ!////」
ユリ:「ありがとう!嬉しい!////智!愛してる!///」
智:「!!/////」
その言葉に智は胸の鼓動が煩く高鳴ったのを必死になって抑えていた。
思えばこの頃智の心はユリに傾いていたのかもしれない。