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背徳の扉
第2章 家庭事情
あれはユリがまだ小学生の時だった。
親友の同級生のお姉さんが結婚し妊娠した。
正直びっくりしてドラマのロケ中の合間に病院に立ち寄って出産に立ちあった。
親友と2人で喜び産まれたばかりの赤ちゃんを抱いた。
私には家族が居なかったから羨ましくも思ったし何より自分の事の様に喜んでいた。
ところが、中学生になりある夏休み
親友とその家族が旅行に出掛けた時に悲劇が起きた。
親友とその家族を乗せていた車にトラックが突っ込んで来た。
家族はまだ幼い子供を残し死亡が確認された。
母親は子供を守る様に抱いたまま亡くなった。
ユリはその報告を知り涙が止まらなかった。
幼くして芸能界で働くユリに友達が居なかった。
小学生4年生になって初めて出来た親友とその家族だったからだ。
親を無くした赤ちゃんがどうなるのか心配で親戚同士での話し合いに途中参加させてもらった。
すると皆子供を心良く受け入れようとはしなかった。
4才になった子供は扱いにくいだの文句ばかりだった。
結局その子は施設に入れられた。
ユリな何も出来ない自分が悔しくて義務教育を終えた高校生になったらその子の里親になる事を決心した。
それまで何度も仕事や学校の合間をぬって施設に通った。