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私達が人間を辞めた日
第8章 儚い指先
連れて来られた部屋は無人で寿の部屋とさほど差がない。
強いて言うならベッドが普通...寿の部屋のような豪華なベッドとは違う。
「進め...」
作業服の男に押され中心のベッドに移動すると、ベッドに仰向けに寝かされ手枷を頭上にあるベッドのパイプ部分に固定される...
まさか私の相手をするのはこの男?そう思っているとアイマスクで目隠しされた。
...あの日と...似た状態...体が疼く。
「しばらく待機だ」
作業服の男の声と離れて行く足音...私は一人で取り残される。
このまま待っていたらまた複数の男がやって来るのだろうか...そしてまた同じように...
目隠しをしている為自分の昂った呼吸音が鮮明に聞こえる。
ただでさえ不衛生な体が更に汗ばむ..それだけで辱しめられているようだ。
どれくらい放置されただろう...この放置された状況ですら私にとって前戯のように感じていた時...扉が開く音が聞こえた。
直ぐに人が入って来る気配...
私に近付いて来る気配にゾクゾクと震え...声すら出せない...
ギシッ...ベッドが軋む音と人の体重でベッドが沈む感覚...
....早く...来て?
私は自然とそんな事を考えていた...