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私達が人間を辞めた日
第8章 儚い指先
そんな...じゃあ泉は私の為に命令に従っていたのか...
「さっさと舐めてやれよ」
「はっ....ッ...はい」
再び起き上がり...私の股に顔を近付ける泉の姿に反射的に腰を引きそうになるが、ここで同じ事を繰り返すわけにはいかない。
でも...こんな事って...
私の汚い割れ目で舌を上下させる泉...今度は快感等全く感じない。
泉は瞳を閉じたまま無表情で舌を這わせ続ける。味も...匂いも...耐え難い程醜悪だろう...それでも...私を傷付けない為か、何事もないかのように舌を動かす泉を見るだけで涙が止まらない。
年上の私が情けない態度を見せてしまうと泉も要らぬ罪悪感を抱くとわかっているのに。
「よし...次は口付けしろ。ちゃんと舌を絡ませるんだぞ」
「ん...はい」
泉は私に覆い被さると笑顔で微かに頷く。態度で大丈夫だと...私を宥めてくれている。
『大丈夫です...理佳さん』
そんな泉の声が聞こえた気がした...
私の頬を掴むような素振りをしているが、その手は微かだが優しく撫でられ...私の涙を拭いてくれている。
そのまま緊張すら感じさせない顔を...その綺麗な唇を...私にゆっくり近付ける。
...本当に...この娘は強い...