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私達が人間を辞めた日
第10章 孤独な相部屋

「レディ...」
作業服の男が握られた私達の手の上に自分の手を重ねて言う。その笑顔の意味は理解できないし、したいとも思わない。
今日こそは勝たせてよ!!私がずっと何も食べて無いの知ってるでしょ!?
このままだと本当に...死んじゃうんだよ...?
精一杯18番に目で訴えるが...18番は目を逸らし...返答代わりに手が強く握られた...
「ゴー!!!」
男のハイテンションな声が響く。私は全力で手を倒そうとするが...元々非力な私が衰弱して衰えた今の腕力では小学生にも勝てないだろう。
18番の腕はビクともしないどころか私の手の甲を容赦無くテーブルに追い詰めていく。
このッ...!!辞めて...辞めて...本当に...
私の手の甲は呆気なくテーブルに着いた。
怒り...その次に絶望...そして最後にまた怒り...
「また18番の勝ちかぁ...4番は災難だな」
「...ううっ...う...」
男がポンポンと私の頭を叩きながら言う。私は悔しさに涙を浮かべ、18番を睨むが再び目を逸らされる。
18番は受け取ったパンを私から隠すように振り向いて卑しく貪り...ペットボトルの水を流し込む。
私の前には...コップ一杯の水が置かれた。

