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私達が人間を辞めた日
第2章 失われた日常
一層豪華な扉...リードを引かれその扉の前まで放心状態でたどり着いた私はぼんやりと扉をノックするのを眺める。
そうだ...きっとさっきよりも酷い目に合うんだ....
私の感情を嘲笑うように扉はあっさりと開かれ、部屋の中に押し出される...
部屋には大量の玩具や拘束具が並べられ、真ん中の高級そうなダブルベッドに男が座っていた。
この男が...寿?
昨夜説明された寿は三十代半ばに思われ、短く刈り込んだ髪と筋肉質な肉体から暴力的な雰囲気が漂っている。
馬に使用するハエ叩きの先端を小さくしたような鞭を右手に持ち、左手の掌を叩きながら低い声で言う。
「遅かったな...」
私を連れてきた男は寿の前で跪きリードを寿に渡しながら軍隊のようにハキハキと答えた。
「申し訳ありません寿様。7番は新入りの為、まだ完全に従えないようです」
寿はリードを持ったまま私を品定めするようにじっくりと眺める。
「ほう...ならしっかり教育するか。お前達は出て良いぞ」
二人の男は一礼すると部屋を出る。
寿の鋭い視線に身体がすくむ....
寿はいきなりリードを引っ張り、体制の崩れた私は寿の前に跪く姿勢で倒れた。