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私達が人間を辞めた日
第2章 失われた日常
「7番...お前は自分の立場を理解しているのか?」
寿は私の前髪を掴み、強引に顔を上げさせながら言った。
立場も何も...いきなりこんな場所に連れてこられ、こんな目に合わされれば理解が追い付くはずがない。唯一、酷い扱いを受ける事しか想像できないが、寿の鋭い視線に晒されると胸を隠していた腕が自然と落ちる程の恐怖に支配されていく。
呼吸が苦しくなり何もできないでいる私を見兼ねた寿は鞭を持つ手をゆっくりと振り上げ、躊躇無く振り下ろした。
「ッああああッ!!!」
ばちんと甲高い音が響くと同時に、背中に焼けるような熱さと裂かれるような痛みが襲い掛かり、私は痙攣するようにのたうち回る。
寿は私の手枷を踏みつけ、私の体を跪いた状態で固定すると、鞭で私の頬を撫でながら言う。
「質問には答えろ...」
答えなければ次は頬を叩くという意思表示だろう...
「わか...りません...」
早く答えなければ...その焦りでそんな答えしか浮かばなかった。
寿は再び鞭を振り上げる...