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私達が人間を辞めた日
第10章 孤独な相部屋
「嫌ぁ...辞めて...」
18番が弱々しい声で言うが、そんな事なんて知らない。
私は鞭を18番の太股に叩きつけた。
「あああっ!!」
18番の情けない悲鳴...たったこれだけで涙を流す...こんな物、私の苦しみに比べたらどうって事無いじゃないか。
鞭を振るうとまるで脳が声帯にあるように、意識していない言葉が飛び出る。
「このっ!!よくも!!お前のせいで!!!私は!!!」
「痛あああぁッ!!!ごめんなさい!!ごめんなさいぃ!!!」
この感情はダムの水のようだ。一度漏れ出したら止めどなく溢れ続け、18番の許しを乞う言葉も挑発のように聞こえる。
寿のようにはいかず出血まではしていないが、 18番の体は痣にまみれる。
それでも私は18番の腹を何度も踏みつける。
「吐け!!!私から奪った物!!!全部っ!!!」
こいつのせいだ...私が死ぬ思いをしたのも...こんな場所にいるのも...全て...何もかも!!!
18番の鼻水を垂らした醜い顔...胸元から腹部を伝う吐瀉物...
「ふっ...ふふっ...あははははッ!!」
それらを見るだけで、自分の物とは思えないような笑い声が溢れた。