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私達が人間を辞めた日
第10章 孤独な相部屋
激しい胸の鼓動が収まらない...私は人生で一番興奮している。
「....ごめん...なさ...い...ごめ...なさい...」
18番は壊れた玩具のように謝罪を繰り返す。
...本当に...いい気味だ...
動かなくなった私を見て終了と思われたのか、寿は私の固く握られた手から容易く鞭を奪う。作業服の男は再び私に手枷を着けると部屋から引きずるようにリードを引く。
「後は任せたぞ」
扉から出ると寿は作業服の男に告げ、私達とは反対の方向に歩き出した。このまま寿の相手をさせられるという事では無いらしい。おそらく檻に戻されるのだろう。
体力を使いきったのか、足元がおぼつかない...だがもうすぐ、「自分の部屋」に帰れる。
男は私を引っ張りながらどんどん先に進んでしまう。少しむっとしてしまうが今更気遣いなんて求めても無駄だろう。
衰弱した体で必死に後に続いたのだが、一つの違和感を覚える。
...ここに来る時階段なんて使ったっけ?
しばらく階段を降り続けた。ここまで降りると高い場所から降りるているのではなく、地下に向かっているとさえ思える。
階段を降りきると複数の部屋が並んだ見慣れない空間に出た。
男はその中の一つの部屋の扉を開ける...
「おう、遅いじゃねーか」
中から聞こえる男の声...その部屋には十人以上の男が座っていた...