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私達が人間を辞めた日
第10章 孤独な相部屋

不穏な光景に立ち尽くす私を強引に引っ張りながら男は返す。

「悪い悪い。こいつ意外とやる奴でさ」
「マジ?18番やっちまったのか?」

男達は下着しか着ていない。部屋の隅に大量の作業服が畳みもせずに放られている事から作業服の男達だろう。
私を引っ張る男は笑顔で更に返した。

「34」

その返事に辺りは「おぉー」とどよめく...

「あの...何ですか34って...」

私はその反応に不安になり、思わず聞いてしまった。男は振り返ると不敵な笑みで言う。

「お前が18番を叩いたり蹴ったりした数だよ。今からその回数分俺達の相手をして貰う」

34...?そんなに?
私が驚愕したのは後半の仕打ちよりも前半の私の残虐性...
私ってそんなに残酷な人間だったの...?違う...あれは正当防衛...仕方なかったから...

「1人5分でも3時間かかるじゃん...」
「急ぐか...何人かずつやるしかないだろ」

私を取り囲んでいく俺達の気だる気な態度を見る限り、自主的に行っているわけではなさそうだ。
おそらく...私が18番に手をあげる事を見越した寿の命令...あの時鞭を持って来た事も、冷静に考えればこの為か...

『寿は希望をチラつかせて叩き落とす天才』...自分でそう思ったのに、何故...それが私に当てはまらないと楽観していたのだろうか...
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