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私達が人間を辞めた日
第11章 永遠に...
寿は私を安心させようというような素振りで私の頭を撫でるが、当然恐怖と不快感しか感じない。
そして不敵な笑みでねっとりとした声音で言う。
「それはただのつわりだろう...」
つわり...?予想外の単語が脳内で反響する...
そんなはずない...だって私は毎日...避妊の薬を飲んでる...
小刻みに震える私の心境を見透かしたように寿は言った。
「風邪だとでも思っていたのか?毎日"ビタミン剤"飲んでるんだから滅多に風邪なんか引くはずないだろう」
ビタミン...剤...?違う...違う...違う...私はそんな物飲んでない...
私が飲んだのは...避妊の薬だけ...
「考えてもみろ...毎日あれだけの男の相手をしておいて妊娠してない方がおかしいじゃないか」
寿の言っている言葉から導き出される真実を...私の脳が理解するのを拒絶するように、頭が真っ白になる...
それでも少しずつ...少しずつ...今までの記憶と寿の言葉が繋がっていった...
毎日のように膣内に射精され...薬を飲む...それの繰り返し...その薬は避妊の薬...じゃなくて...ただの...ビタミン剤...
「あ...ぁ...」
呼吸が上手くできない...部屋の出口に向かって歩き出す寿の背中が視界に入る。
この男は...悪魔だ...私が毎日..!!どんな思いでっ!!!あの薬が避妊の薬だって...信じてたのに...!!!
気が付けば私はベッドから飛び起き...振り向いた寿に飛びかかっていた。