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私達が人間を辞めた日
第11章 永遠に...
「じゃあ...会わせてよ...」
必死に体を起こしながら声を絞り出す...
寿を睨み付け...目には涙が滲む...
「そんな事言って...ずっと涼ちゃんの顔すら見せてくれないじゃない...」
寿は何が面白いのか、笑いを堪えるような表情...それがより怒りと不安を増幅させていく...
「会わせて!!会わせてよおおおぉーーー!!!!」
私は泣き叫びながら床を何度も叩いて発狂した。
寿は叫び続ける私をしばらく眺めた後...ようやく口を開いた。
「そんなに会いたいなら会わせてやろう」
え...?
思いもしなかった返答だ。私は床を叩くのをピタリと止め、寿を見上げる。
寿は作業服の男に何か指示をしたようで、作業服の男が私に手枷とリードを着けた。
「大人しくついてこい」
作業服の男がそう言いながら私を立ち上がらせ...扉を目指して歩く。リードが引っ張られた私は大人しく後に続いた。
寿は来ないようで、自分の部屋に帰るようだ。
寿を信じたせいで酷い目に合ったばかりなのだが、涼に会わせて貰えると言われれば従うしかない。
いつの間にか体の痛みも重さも忘れ、ただ足を踏み出し続ける...
涼にもう一度会えるのなら死んでもいい...また二人で暮らす夢は叶わないという事は嫌という程思い知らされているから...