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私達が人間を辞めた日
第11章 永遠に...
「え?」
私はその色が違う地面の前に膝を着いた...
男の言っている意味が理解できないのだが...何もされて無いのに頭をバットで殴られたような衝撃を感じる。
「だからここに在るんだって」
背後から男の声...「居る」ではなく...「在る」...
普通在るなんて人間には使わない...正確には...「生きている」人間にそんな事言わない...
つまり...涼は...この地面の中に...
「あ....ぁ...ああああああああーーーーー!!!!」
男の言った意味とこの地面が...私に真実を理解させる寸前で叫んだ。
思考が遮断されたまま...私は地面をがむしゃらに掘った。
土はすっかり固まっていて、何度も突き刺した右手の人差し指の爪が割れた...それでも...掘る...
「いい加減にしろ!!埋めるのがどれだけ面倒だと思ってるんだ!!!」
男が乱暴にリードを引き、私の体は後ろに倒れた。直ぐに立とうとしたのだが...体の力が...気力が...凄まじい勢いで抜けていく...
突き付けられた真実は私には巨大過ぎる...最早涙すら流れず...怒りすらも感じない。
踏みにじられた...全て...なにもかも...
私が寝転んだまま放心し続けていると、作業服の男はリードを引き摺るように引っ張り、何度も殴られた後...私は何も考えずに館に向かってフラフラと歩いていた...