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私達が人間を辞めた日
第11章 永遠に...
連れられた場所は地下のいくつかの部屋が並んだ空間...目の前に別の人影が見える。
その人影は...別の作業服の男とリードを引かれて犬のように四つん這いで歩かされている女性だった。
女性の歩みが遅い為、私達はその二人を追い抜く。何気無く振り返れば、女性の首輪に「23」の数字...この女性も...私達と同じ...寿の玩具...私とは別の部屋に入るらしく、進路を斜めに修正している。
「なんだ...もう死んでもいいのか?せっかく旦那に会わせてやろうと思ったのにな」
部屋に入った私を待ち構えていた寿が言った...手には小型液晶テレビのような物を持っていて、その映像に涼の姿が映っている。
ほんの一瞬だけ失っていたと思われた感情が熱を持ち始めたが、直ぐに目を逸らす。
もうこの男は信じない...その映像もどうせ録画していた物か何かだろう...
「随分現実的になったな...」
つまらなさそうに言った寿の態度を見れば、どうやら正解らしい...最後の最後まで私を弄ぼうとするなんて...本当にこの男は人間じゃない...
もう飛び掛かる気すら起きない私を見た寿は私への興味を失ったようで、無言で部屋を出た。
数分経つと...その代わりに大勢の作業服の男が入って来る...
「...普通に...死なせてよ...」
私は失笑しながら独り言を洩らした。