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私達が人間を辞めた日
第12章 枯れないディアスキア
私が呼ばれるまで随分時間が経った気がする...
昨日の説明では新入りはだいたい午前中に呼ばれると言われたのだが、もう夜にはなっているだろう。
「毛布を取れ」
作業服の男の言葉...命令形の言葉を聞いてしまうと、体は反射的に従ってしまう。
確かに裸を見られるのは恥ずかしい...しかし、本来持っている羞恥心に加えても私は肌を見せたくないのだ。
それは夏場の私服姿で露出するような部分も含む。私はどんな季節でも外出する時は長袖だ...
手枷を着けられ、檻から出される...
作業服の男達は私の体を見ても何の反応も見せず、それは横目で確認した女性達でも変わらない。
母とあの男以外に私の肌を見た人物は過去に一人だけいる。それは私の唯一の友人...少なくとも私はそう思っていた女の子だった。しかし...その女の子は私の肌を見た途端にあからさまに距離を置いていき、結局話す事すらなくなってしまった。
その時からこの体は人に受け入れられない物だと思っていたが、ここでは突出した物でもないらしい...
私は俯いたまま素直に歩き続けた。