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私達が人間を辞めた日
第12章 枯れないディアスキア
寿と姫歌は無言で私の体を凝視し続ける...
幼い頃に受けた数々の虐待の影響で私の体は消えない痣や傷にまみれている。
耐え難い不快感に体が震えるが、寿の視線に晒されると金縛りにあったように体を隠す事すらできず...ただ俯き続けた。
「後ろを向け」
寿の命令を受けると、動かないはずの体はゆっくりだが反転していった。背中は特に酷い有り様なのに...
「うわぁー、グローいっ」
背中を見せると姫歌は楽しそうな声を上げる...
背中は煙草の火を頻繁に押し付けられ、おびただしい火傷が全く消える気配無く残り続けている。
見ないでよ...その言葉は口には出せなかった。
「こっちに来い」
寿の声が届くと、足が自分の物じゃないように勝手に動く...
そんな私を見た姫歌はむすっとした顔で言った。
「ちょっとー、返事くらいしなさいよ。寿様...教育が必要なんじゃないですかぁ?」
寿はべったりと甘えるように触れる姫歌に答える。
「そうだな...その体を見る限り随分教育されていそうだが...まだまだ必要か...」