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私達が人間を辞めた日
第13章 記事にならない取材
こんなの...まるで奴隷じゃない...
手枷を着けられ檻から出ると、首にリードさえ繋がれた状況に驚愕する。
私だって女だ...人並みに羞恥心は持ち合わせているが、どうせ脱がされた時に見られたんだからと開き直った。
それよりも今は...死角だった檻を素早く見渡す。
先程話した女性は4番で、膝を抱いて震えている。6番は予想通り無人で、毛布等の整い具合から少なくとも数日は人が居ない状態に見える。
1番から11番の檻を見るが、希望の姿は無い...
本当に涼と希望の失踪は別件なのだろうか...いや、檻がこの部屋しか無いとは限らない。
リードを引っ張られ、部屋を出る。
いくら私でも洗浄という行為は堪えるも、恥ずかしがるような態度は見せたくない..
仕事場で女だ女だと見下されていた影響も有るのだろうが、こんな最低な男達にひれ伏すのは御免だ。
そして趣味の悪い...あからさまに豪華な扉...
こんな無駄な事をする人間は大抵独占欲と自己顕示欲が高いと、短いジャーナリストの経から推測した。
扉が開くと...今まで追ってきたどんな犯罪者よりも...暴力的な威圧感を発する男が居た...