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私達が人間を辞めた日
第13章 記事にならない取材
瞼の裏で火花が散るような衝撃...
私は右に振られた顔を正面に戻し、寿を睨んだ。こんな...ただの暴力に...負けるもんか...
「何すんのよ!!こんな...ンンッ!!!」
引き返した手の甲が反対の頬を打つ...
「やっ...辞めなさい...あああッ!!」
寿は何も言わず...再び私の頬を打つ...
「...辞め...ウッ...!!!」
再び...頬の内側が切れ...鉄の味が口内に広がる...
「もう...辞め...て...ンー!!!」
もう一度...既に何回目かわからない...口内の傷と溢れてきた涙で...情けない声音になってしまう...
「...辞めッ...辞めて...ください...」
ぽろぽろと涙を流し...懇願してしまう...
ようやく寿が手を離すと、私は寿の足元に崩れ落ちた...