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私達が人間を辞めた日
第13章 記事にならない取材

「いっ...あっ...!!」

寿は私の髪を掴んで上半身を持ち上げる。体を起こせばいいだけなのに...力が入らない...

「どうした...随分大人しくなったな。まだ続けてやろうか?」
「...うぅ...嫌ぁ...ああああッ!!!」

間隔を開けずに続けて五回顔を叩かれる...頬が常に焼けるように熱い...口端から唾液混じりの血が...だらりと垂れる...

「そんな言葉じゃいつまでも終われないな...態度も改めないと駄目だろう?」

髪から手を離して言う寿...私の体は再び崩れ落ちる。

怖い...怖い...怖い...私って...こんなに弱い人間だったの...?

幼い頃は良く男勝りと言われ、男子とケンカしても負けない活発な女の子だった。胸が膨らみ始めてからはさすがに腕っぷしで男子に敵わなくなってしまったが、それでも男には負けないという気概は持ち合わせて生きてきた。
勿論、それなりに恋もしたし、男に手を上げられた事は無かったが...私はこんな暴力で屈する人間じゃないと...思い込んでいた。

それが今では...幼子のように惨めに涙を流しながら...寿の足元の床に手と額を着け...

「...うぅ...ごめんなさい...ひぐっ...許してください...」

叱られた幼児のように...許しを乞うている...
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