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私達が人間を辞めた日
第14章 カウントダウン

恐怖のあまり叫ぶ事もできない...
ようやく乳首を挟んでいる物に穴が空いている理由を悟る。
おそらく、この乳首を挟む左右の穴は...針の入り口であり...出口だ...

浅い呼吸を過呼吸のように繰り返し、涙が滲む...
寿はそんな私を醜悪な笑顔で見詰めながら、針を乳首に近付ける。
迷いの無い手付きで、針は乳首の横にある穴を通り...

「ああああああああーッ!!!!」

乳首に針が刺さり、恐怖で硬直していた体が叩き起こされ...叫ぶ。針は左側から右側へ突き抜けようと...肉に穴を空けていった。

「痛いッ!!!痛ァ!!!」

当然...布や発泡スチロールのようにサクッと貫通するわけもない...
寿がグイッ...グイッ...と力を込め...針を乱暴に押し込んでいく。

「あ....ぁ...」

挟まれていた乳首が離されると、横一直線に針が貫通していた...
あれだけの激痛なのに...血はほとんど出ていない。
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