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私達が人間を辞めた日
第14章 カウントダウン
「嫌あああーーーッ!!!辞めてッぇ!!」
意味の無い懇願を繰り返しながら精神さえ蝕まれていく...
私はなんて惨めな人間なんだろう...いや、こんな私を人間と呼べるのだろうか...
派手に体を痙攣させながらピアスの鈴をリンリンと鳴らし...
磔にされた体は、勝手に股間を突き出すように反ろうと...無駄な行動を繰り返す。
そして感覚の無くなった尿道口からおびたたしい量の尿を撒き散らし...
その自らの尿がピアスの傷口に跳ね...また獣のように絶叫する...
顔は制御の効かない涙と鼻水...泡立つ涎にまみれる。
「ああ...あ...ぁ...」
気付かぬ内に止まった電圧...
人語にすらなってない声を無様に洩らし、俯いた瞳で残った尿が落ちるのをただ眺める。
もし...この館に来る前の私が、こんな姿の人間を目撃すればこう言うだろう...「うわぁ...この人気持ち悪い...」と...
自分でも許容できない惨めな姿...理佳は...こんな私を見ても...まだ人間として接してくれるだろうか?
私の思考は寿に遮られた。寿はまだ痙攣が治まらない私の前髪を掴み、後頭部を拘束具に押し付ける。
そしてひんやりとした物が右目の眉毛の上...つまり額の右側に触れる。
「仕上げだ...」
視線を動かす...そう言った寿が私の額に押し付けている物...
それは...鈍い光を放つナイフだった。