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私達が人間を辞めた日
第15章 私は貴方のモノ
凍り付く私に寿の言葉は続いた。
「かなりあの男に入れ込んでいたようだな...お前の意思で売って貰おうなどと、随分偉くなったものだ」
なんでそこまで...まさかヨシオが話した?だってあの時は首輪も外して...ッ!!
私は馬鹿だ...盗聴なんて首輪が無くても、ヨシオに仕込むなり...ソファー等に仕込むなりいくらでも方法があるじゃないか!!
でも何故わざわざそんな回りくどい方法で...そうか...私を...いや、私じゃなくても...誰かを罠に嵌める為...
なら今の状況は...かなり危険だ。
「ちっ...違うんです!!私は...その...寿様のお客様を...喜ばそうとしただけです...」
私は床に手を着いて弁解していた。
「もてなすのは結構だが...自分を売る必要があるのか?」
「それは...寿様の...利益を少しでも増やしたくて...」
「そうか...俺を喜ばせたかったのか」
「はい!!それだけです...」
ここまで必死に言い訳をしたのは初めてだ...いや、言い訳ではなく...命乞いだ。
寿の口調は少しだけ柔らかくなっていき、私が恐る恐る顔を上げると、穏やかに言った。
「なら...もっと俺を喜ばせる為だ。お前の番号を4番に変更する。丁度空いた番号だからな」