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私達が人間を辞めた日
第16章 絶望の味
既に私のプライドも尊厳も無い...ただ...死にたくない...その一心で肉棒を口いっぱいで刺激する。
別にこんな行為が好きなわけでも、しなければ殴られるというわけでもない。
これが私が生き伸びる為に必要な事だという事が理由の一つ。そしてもう一つは...極限の空腹の影響だろうか...とにかく味のある物を口に入れないと落ち着かない。
それは匂いも同様で、どんな醜悪な物でも、少しだけ空腹から意識を逸らしてくれるのだ。
「よし、しっかり飲めよ?」
「うっ...ふぁい...んッ...ンン!!」
精液が口内に広がる...少し前までは吐き出さないように必死だったが、今では味わうように舌の上で転がし、一気に飲み込む。
少しだけ空腹が紛れた気がしていると、男は壁に貼られている紙にボールペンで線を引く。今男が引いた線で、「正」の字が完成するのを確認した私は言う。
「お願いします...水を...水をください...」
「ああ、待ってろ」
作業服の男は今完成した正の字の上からバツ印を書き、部屋を出た。
そう...これが私の生き伸びる条件...