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私達が人間を辞めた日
第16章 絶望の味
「取ってやろうか?」
存分に笑い終えた男は言った。私は直ぐにその男に土下座する...
「お願いしますッ!!取ってください!!この私に...豚に...水を恵んでください!!」
ここで生き伸びたいのならプライドなんて邪魔でしかない...
取って貰うどころか、元々はこの男のせいだという事も意識せず...哀れに泣きながら懇願する。
死にたくない...死にたくない...死にたくない...
ただその一心で叫ぶ私の精神はもう正常じゃないかもしれないが、それすらもどうだっていい...
男はペットボトルを私の元に蹴り飛ばし、私はそれを拾い一気に飲む。随分久しぶりに摂取した水分が、私の寿命を少しだけ伸ばす。
「ちゃんと俺に感謝してるかぁ?」
「はい!!ありがとうございます...んッ...」
感謝の言葉を述べてから、男が差し出した足を犬のように舐める。最早こんな行為に抵抗等感じない。
「そうかそうか...じゃあ俺は帰るぞ」
帰る...?そんな!!
私は男の足にしがみついた...