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私達が人間を辞めた日
第17章 サヨナラ
初めて来る部屋...そこに有るのは...一際目立つギロチン...
本当に悪趣味...わざわざこんな物を作るなんて...
そんな事を思いながらも、ギロチンなんて見せられれば足が震える。
男はギロチンの側にある椅子に私を座らせ、足を拘束しリードを椅子に固定して私の動きを封じると、口に布を詰めてガムテープで巻く。
私は直ぐ殺されるんじゃないの?なんでこんな回りくどい事を...
男達は何も言わずに立ち続けた。最後まで私を慰み物にするのだろうか、それとも..."アイツ"を待っているのだろうか...
しばらくして扉が開くと、予想通りに寿の姿...扉から身を出すと、私を見て不敵に笑う。
「案外落ち着いているな?」
馴れ馴れしい物言いに、視線を逸らす。もう寿を見ているだけで悪い方向に導かれそうだ。
「つれないな...せっかくゲストを呼んでやったのに」
ゲスト...?まさか!?
私が顔を上げると、聞き覚えのある鈴の音が響いた。
寿が扉で隠れていたリードを引くと...よろよろとした足取りで泉が部屋に入れられた...