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私達が人間を辞めた日
第17章 サヨナラ

泉は手枷だけ着けた状態だった。
寿はまだ傷が癒えていない泉を抱き寄せる。泉が減点の罰を受けてからまだ一時間も経っていないので、歩く事すら辛いだろう。
そして泉に着けられたピアス...一生残るであろう顔の傷...尊厳を踏みにじるような鈴...それらを見ただけで、再び怒りが込み上げる...
そんな...自分のモノみたいに...泉ちゃんに...触るな!!

「ンンー!!ンンッ!!」

言葉は話せないが、寿を睨んで叫ぶ。しかし寿は愉快そうに私に告げる。

「お前がそんな態度なら...7番がどうなると思う?」
「アアアッ!!!」

寿は泉の頬に拳を打ち付け、泉の口端から少量の血が漏れた。
私は叫ぶのを辞めるしかなかった。
こんな...死を覚悟した状態でも、寿に従わなければならないなんて...
泉はぎこちない笑顔を浮かべて私を見る...それは何度も見た、大丈夫と私を宥める為の笑顔だ。
寿は再び泉を抱き寄せ、顎を持ち私を向かせて言う。

「7番がどうしてもお前への罰を中止して欲しいそうだ。だからチャンスを与えてやろうと思ってな。まあ...俺達を存分に楽しませられたら...考えてやろう」

泉から頼んだはずがない...泉は檻の中にいたのだから。この話は...寿が泉に持ち掛けた物だ...
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