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私達が人間を辞めた日
第17章 サヨナラ
もう...嫌...
目の前で変わり果てていく泉を見ていると、取り繕っていた感情が剥がされていった。
「うー...ああッ!!あ...うッ!!んッ!!」
泉が上げる声は最早喘ぎでも、悲鳴でも...人語でも無いような物へ...
神経が破壊されたように寿の意のままに痙攣を続け...ねばついた涎と鼻水を垂らし...失神する度にバケツに顔を突っ込まれる為、嘔吐するように水を吐き...
床に四肢を着ける事さえ許されず...頭から爪先まで...寿の思うままにされている...
澄んでいた瞳は白目を剥き...寿に着けられたピアスの鈴が鳴り...本当に玩具にされているようだ。
その扱いはもう...肉便器でも...奴隷でも...家畜でも無い...
私はこんな残酷な仕打ちを形容する言葉を知らない...
もう...泉が傷付けられる姿なんて見たくなかった。
そうだ...私はただ、泉が傷付くのを見たくないから...死という逃げ道に進んだだけだったんだ...
勿論...減点が上限に達するまでそんな事は意識していない。
もっと、思考の深い場所...私の本能のような物を...寿は私よりも先に見抜いていたんだ。