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私達が人間を辞めた日
第17章 サヨナラ
寿は心底愉快そうに言った。
「7番は何度も気を失い、俺を喜ばせる事ができなかったな...残念だが、減点5の罰を与える」
最初から...そのつもりだったくせに...
その言葉は口を塞がれてなかったとしても言えないだろう。
もう...泉に迷惑を与えるなんて...嫌だ。
作業服の男達は私の拘束を外し、ギロチンへと私を引き摺る。
私は未だに小刻みに痙攣する泉を横目に、何も考えずに連れられた。
ガチャッ...ガチャ...両手足が床に拘束され、頭は二本の柱をくぐり...俯せで固定される。
作業服の男が斧を持ち...私の首の真上にある巨大な刃を固定している縄に向かう。
その縄が切られれば...刃は私の首に落ちるだろう...
せめて...私が死んで泉ちゃんに...少しでも...罪滅ぼしができれば...それでいいか...
私が新たな幻想を抱いた瞬間...泉の声が聞こえた...
「あ...ぁ...辞め...辞めて...」
視線を横にずらすと、泉は私の元へ這いながら進んでいた。
体が思うように動かないのだろう...本当に苦しそうに...寿の足にしがみ付いた。
「ま...まだ...私...やれッ...ます...だから...辞め...て...」
こんな私の為に...涙を流して自分を虐げた男に...懇願している。