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私達が人間を辞めた日
第3章 減点制度
「なに...?私...?」
突然の放送に間抜けな声が漏れた。暴言って...なんで分かったの?それに減点って...
焦りからか再び首筋を掻くと、指が首輪に触れる。
ああ!?そうだ。この首輪...
今思えばこの檻で目覚めた時、周囲の檻の人達に状況を確認しようと話し掛けて少しして、タイミング良く作業服の男が現れた。
恐らくこの首輪に小型マイクでも内蔵されているのだろう...
「理佳さん...減点って...」
泉が訪ねるが、私も知らない。
「わからない...少なくとも良くはないって事くらいしか...」
「あのっ...私を励まそうとしたせいで...こんな...」
「ううん。泉ちゃんは悪くないよ?でも...余計な事言わない方が良いみたい。お互い気を付けよう」
「...はい...」
二人とも沈黙する。
話し掛けられた側にもかかわらず責任を感じる健気な泉に心配は掛けられない。とっさに明るい声で答えたが、先程の放送が脳裏から離れない。
減点...普通に考えれば何らかのペナルティーが与えられてしまうのだろうか。抱かれる程度なら耐えられるが、痛い思いはしたくない...
鞭で打たれるのだろうか...刃物で切られるのだろうか...最悪の場合...
駄目だ...恐ろしい光景しか想像できない。
しばらく考え込んでいると、扉が開き...男が二人現れた。