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私達が人間を辞めた日
第18章 私は誰のモノ?

「フゥ...ウッ...」

蛍はぐったりとした様子で、ボールギャグのせいで声にならない声を出す。私を横目で一瞬だけ捉えたが、かなり衰弱している様子で、顔を上げるのも億劫そうだ。

「しっかりしなさいよー。蛍がご飯を食べられないのは良い子にできないからでしょー?」

姫歌は蛍の髪を掴んだまま乱暴に頭を揺らす...蛍の呻き声が、ごめんなさい...ごめんなさい...と言っているように聞こえた。
姫歌の手が止まると、蛍は上目遣いで姫歌を見ながら、下半身をもぞもぞと揺らした。

「なぁに?おしっこ?」

姫歌の問いに、蛍はコクリと頷く。

「おしっこなら昨日したでしょー?もうっ...彩芽ー来なさーい」
「はいっ!!」

彩芽は面倒そうな呼びかけを受け、四つん這いのまま犬のように蛍に近付き、蛍の股に顔を埋める。
姫歌は私に近付くと、リードを強引に引っ張り...その二人の側まで私を連れて明るい声で言う。

「早苗もよーく見ててね?ここでのおしっこの仕方だよー」

内容が内容でなければ、この姫歌の声や話し方はその場の雰囲気を和ませるような物だったろう。
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