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私達が人間を辞めた日
第18章 私は誰のモノ?
「よーしっ、彩芽は飲むの上手だねー。床のおしっこも全部飲むんだよぉ」
「はぁいっ!!」
彩芽は姫歌に頭を撫でながら命じられると、何故か嬉しそうに従う。
彩芽が尿を啜る音が響く中...姫歌は再び私の前髪を掴む。
「わかったぁ?ここではおしっこする時に誰かに飲んでもらうんだよ。彩芽は壊れちゃってるから喜んで飲んでくれるよー。でもねぇ...早苗は新人さんだから蛍の分も彩芽の分も飲んであげようね」
嫌...嫌...おぞましい台詞に強い拒絶が沸く...
こんな生活をしていたら...壊れてしまう。
私がヨシオに媚びて体を差し出した事を...屈辱だと思っていた...でも、もっと耐え難い思いをしている者が、こんなところに居ただなんて...
地獄に際限なんて...無いんだ...
姫歌は私の背中を長い爪でガリガリと引っ掻く...
「あれれー?返事が聞こえないなー」
「あああっ!!はいッ!!ごめん...なさい」
姫歌は蛍の手枷を外す。
蛍は姫歌が近付くと異常な程震えた....
彩芽には感情をほとんど感じ無いが、蛍はほんの一欠片...恐怖と自我が感じられる...