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私達が人間を辞めた日
第20章 【最終章・私達の答え】後編~運命の導き~

不穏な光景だが、このまま立ち止まるわけにもいかない。
少しずつ...その女性に接近すると、その女性の全体像が浮かび上がった。
拘束されている...両手両足を縄で縛られ...口をガムテープで塞がれた状態で、俺達を怯える瞳で見詰めていた。
それを見た途端に、歩幅が広がる。こんな状態で廊下に転がされているなんて...被害者で間違いないだろう。

女性というより少女が適切のようだ...しゃがみ込んでみれば俺の娘と同じくらいの年齢だと解る。
俺はできる限り優しく...少女に語りかけた。

「俺達は君達を助けに来たんだ。今から口のガムテープを外すから、大声を出さないでくれるかい?」

少女が頷くのを確認し、ガムテープを剥がす。安心させる為に一言断ってから、使わないと思っていたナイフで縄を切断しようと試みた。

「君はどうしてこんな所に?」
「わかりません...目が覚めたらここにいて...」

少女は先程見た女性達とは違い、黒いワンピースを着用し、首輪を着けていない。それどころか香水の匂いまでさせていた。
現実は映画等のようにはいかず、縄を切断するのに少し手こずったが、なんとか少女の拘束を解く。

「檻がたくさん並んでいる部屋を知ってる?それと...ここに囚われている人の居場所を...できる限り教えて欲しい。僕達はその被害者と、檻の鍵を探しているんだ」

すかさず宏が問う。
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