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私達が人間を辞めた日
第20章 【最終章・私達の答え】後編~運命の導き~
自分の手で娘を助け出したい俺達の気持ちを汲んでくれた宏と少女とは、檻の部屋で一旦別れ、少女を車に送りしだい宏に戻ってもらう事にして、俺達は檻の部屋に向かう。
相変わらず人の姿は無い...
これからなんとか...女性達を外まで連れ出し、ワゴンに乗せれるだけ乗せてから人里まで送る。当然想定よりも人数が多く...往復が必要で、車を一台しか用意していない事が悔やまれるが、何台もの車で山奥を調査するのは相手に感ずかれる危険があった。
宏達の子供は見つかっていないが...ここの女性達と警察に行けば、さすがに無視はできないだろう。
運良く誰にも遭遇せずに扉の前に立つ。
「絶対戻って来ますから...じゃあ行こう」
「はい。あの...皆さん、本当にありがとうございます」
もう一度俺達に礼を言った少女を連れ、宏は最初に侵入した裏口に向かう。
宏も難なく少女を車まで連れて行けるだろう...
そうだ...俺達は神に味方されているのだ。
この館の裏口が開いていたのも...娘を発見できたのも...鍵の場所を知っている少女に出会えたのも...俺達が娘を救い出したい想いに神が応えてくれたに違いない。
絶対...助ける...
決意を新たに...その扉を開いた。