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私達が人間を辞めた日
第3章 減点制度
扉が開き中に入れられる。
今日は私を連れて来た男は扉を開けたまま待機していた。寿も前回と違いスーツ姿で煙草を吹かしている。
寿はどんな顔をしているのかと思えば、穏やかな表現を浮かべていた。それがとてつもなく不気味に思えてくる...
「6番にはまず減点の説明をしよう」
上機嫌な仕草で振り向き私を見て話し出す寿。
「お前のような暴言、俺への対応によって減点が発生し、その減点によって相応の罰を与える。基本的に減点された数字が戻る事は無い...お前の場合は既に1だから罰を受けても次減点されれば2になる」
対応...結局は寿のさじ加減しだいという事か...
恐らく、その「罰」の内容も...
「減点の上限は5...上限に達した時は、命は無いと思え...」
その言葉を聞かされればさすがに身がすくむ。
結局具体的な内容は明かされていない。不安しか無いが最悪の状況は免れたようだ。
小さく息を吐くと、寿が私の後ろにいる男を指差す。
すると男は私の背後に回り、いきなり私の顔になにかを着けた。その瞬間視界が暗闇に染まる。どうやらアイマスクのような物を付けられたようだ。
「場所を替えるぞ」
寿の声が暗闇の中に不気味に響いた。