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私達が人間を辞めた日
第3章 減点制度
キュラキュラ...
何かローラーのような音が背後に近付く。直ぐに私の体が引き倒され、何かに座らされると急に軽い重量が掛かる。
どうやら車椅子のような物に座っているようだ。
目隠しを外す事は可能だが、リードは繋がれたままだろうし逃げる事は不可能だ。下手に抵抗しても損するだけ...
せめて極度の苦痛を与えるような罰で無い事を祈る。
いくら五段階の一つ目といっても、寿の気分しだいで地獄を見るはずだ。
寿が服を着ている...わざわざ移動する事からまともな内容ではないはず...
考えれば考える程不安が押し寄せた。ここで恐怖に震えても寿を喜ばせる事になるだろう。会うのは二回目だが、そんな男という事はわかる。
今思えば抵抗無く抱かれ、今も大人しく座っているような私だからこそ寿は一週間以上も私を放置していたと思える。
ならせめて...この男を喜ばせないよう...命令に従い仕打ちに涙を流しても...心の中では平気だとほくそ笑んでいよう。
ただの自己満足だが構わない。
そんな事を考えている内にも車椅子は動き続け、エレベーターに乗っているような音と落下感を感じさせ。ようやく停まるとリードが引かれ立ち上がらせられた。
そのまま別の物に座らされ、拘束される。
分娩椅子みたいな構造なのだろうか。両手は頭上に固定され、脚はM字で大きく開かれ微塵も動かせない。
このまま鞭でも打たれるのだろうか...不安に唇をきつく結ぶ私に寿は言う。
「お前が大人しくしていれば極端に痛い思いはしないはずだ」
はず...?細やかな安堵と収まり切らない不安に固まる私の目隠しが外されていく...