この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
私達が人間を辞めた日
第20章 【最終章・私達の答え】後編~運命の導き~
【宏side】
「おじさん達皆を助けられるかなぁ?」
別行動中の僕の背後から少女は言う。なんというか...少しだけ口調も変わった気がする。
「できるさ...幸い、出口までの道にも誰もいないようだしね」
「でもでもぉ...鍵が偽物にすり替えられている可能性も有るかもしれないねー」
「....いくらなんでも...あらかじめ偽物を用意する...わざわざそんな事をするなんて...」
「いやー、いるんだよねー。そんな人もさぁ...実は監視カメラで最初から浸入者に気付いていたりとかも有るかもしれないじゃないですかぁ」
何故...この少女はこんなに楽しそうなんだ?
皆と別れてから少女の態度は変わっている...安心したのだろうが、さすがに緊張感が無さ過ぎる気がするが...
そんな些細な事を気にしている場合じゃないが、少し声が大きい...
「その話は後にしよう...それと、少し声を抑えてくれるかな」
「あっ...おじさん前...」
振り向いた俺に、少女は前方を指差して言う。はっと前を向くが...誰もいない...
「何も無いじゃ....ッ!!!!」
再び振り向こうした瞬間...脇腹に何かが押し付けられ、体に激しい痺れを感じた。