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私達が人間を辞めた日
第2章 失われた日常
「この館の主は寿(コトブキ)様だ。お前達は寿様に奉仕する為に連れてきた」
「奉仕....?」
「意味くらい分かるだろ?言う事聞いて股開いてればいいんだよ...」

唐突な内容に言葉を失う。それでも男の説明は終わらない。

「寿様が女を抱きたくなったら呼ぶ。多分新入りのお前は明日の朝には呼ばれるだろう...それまではここで待機。トイレはそれだ」

残念ながら予想通り...男は檻の隅のバケツを指差す。

「食事は朝昼晩、ここから出す。その時にバケツも回収するから中身が有れば出せ」

私から見て鉄格子の左下を男が引くとギィと音を立て正方形の小さな小窓が空いた。人が通れるスペースは無いようで、ドラマの刑務所で見たような食事の渡し方をするようだ。
つまり...この小さな檻で食事も排泄も行い、食事も排泄物も同じ場所から出し入れするらしい....
自然と気分が悪くなった私を察してか男は笑顔で続ける。

「お前が寿様に気に入られれば、もっとちゃんとしたシャワー・トイレ付きの部屋でまともな食事も与えられる...逆に...」

男は残忍な顔で囁く。

「嫌われれば...悲惨な目に合うから覚悟しろよ?」
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