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私達が人間を辞めた日
第6章 愛しい人

17番は何事も無かったように涼の上から退くと、股から垂れる精液を気にする様子も無く...元の人形のような振る舞いに戻る。
私と涼は涙が滲む瞳でただ見詰め合い続けた。
その静寂を破ったのはやはり寿...私の横腹を足で押し...私の体を転がす...
作業服の男から何かの錠剤を受け取ると先程まで私の股があった場所に落とした。

その場所には私の膣から溢れた寿の精液が小さな水溜まりを作り...それの中心に錠剤が沈んでいる。
この行動の意味は私達には知る由も無い...寿の楽しそうな声が響く。

「妊娠したく無いだろ?最後の情けにくれてやる」

理解するのにしばらく掛かったが...あの錠剤はアフターピルという物だろうか...
涼を見ると私をただじっと見詰めている。その瞳が意味するものは解らないが...涼も何が正しいのか解らないように見える。
それでも...私はこんな男の子供なんて孕みたくない...
...私は...涼ちゃんの子供を産むんだ...

「飲むならちゃんと感謝の気持ちを表さないとな?」

私の決意を瞳だけで悟ったのか...寿が言う。

「あ...ありがとう...ございます...」

悔しさに血が滲みそうな程拳を握り...寿に頭を下げる...
寿の笑い声が響く中...手を使えない私は床を這う...
永遠の愛を誓った最愛の夫の目の前で... 自分を犯した男の精液に口付け...
その錠剤を...飲み込んだ...

「中々良い余興だな。この男は二週間は生かしておいてやろう...後はお前次第だ」

寿は私の体を起こすと...馴れ馴れしく私の肩を抱き...私が自分の物だと言わんばかりに涼の目の前で体を触りながら高笑いを続けた。
...私はもう...涼の顔を見る事ができなかった...
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