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私達が人間を辞めた日
第7章 妖艶な御下がり

「おう村井。今日は災難だったな」

良く話す方の同僚が俺の偽名を呼ぶ。当然服は着ていない。

「まあな...花田はもう済ませたのか?」

俺も作業服を脱ぎながら同僚の偽名を呼ぶ。

「今丁度一段落したところだから今から使っていいぞ。後に使う人の事を考えて一週目は中出ししてないからな」

同僚は全部で十二人...本当に掃除に時間が掛かってしまった...
各々座り込んだり煙草を吹かしている同僚達の中心...目当ての「23」の首輪を着けた女が仰向けで天井を見詰め...激しい呼吸で大きな張りの有る胸を上下に揺らしている。
この女は本当に美しい...清純さを感じさせる黒い髪...水を弾くような肌...色気の漂う唇...程良い肉が付いた肢体...体に刻まれた数々の傷痕でさえ、きらびやかな装飾のよう。
その姿を見る限り普通に...というのも変だが、ただ輪姦されていたようだ。その乱れた呼吸すら妖艶な囁きに聞こえる。

そして何より...23番は昔の俺が心から愛した女に似ている...
といっても愛したのは俺だけだった。結婚も考える年になった俺は会社で部下である女に一目惚れし、人生最大の決意を決めて告白したのだ。
しかしその女は普通に断るどころか...困ったような苦笑いを浮かべた...まるで有り得ない事が起きて困っているような...
女にとっては無意識だろうが、それが余計に俺の心を傷付けた。

結局...その女は若いチャラチャラした男と結ばれた...
その時からだろう...いつかこの女を跪かせたい...屈服させたい...弄んでやりたいという感情が芽生え...叶わなかったその歪んだ感情の矛先は...23番に向いていたのだ。
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