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夢のうた~花のように風のように生きて~
第2章 《悲劇の始まり》
 涙が堰を切ったように次々に溢れ出てくる。
 どうして、いつもこんなことになるのだろう。お千香は泣きながら、長い廊下を足早に走り去った。いつまでもここにいると、定市が追いかけてくるようで、無性に怖くてたまらなかった。
 自分の部屋まで漸く戻ってきた時、部屋の前で乳母のおみつが所在なげに行きつ戻りつしているのが眼に入った。
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