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限りの月
第8章 嫉妬
「君、大丈夫?」
「えっ…」
「触られてたんだろ」
「…!」

美織の目が大きく見開いた。
助けてくれたのは、彼だったのだ。

「…あ、ありがとうございます…」
「エレベーター内は気をつけなよ、けっこう痴漢多いから」
「はい…」

(こっちの世界にも、彼はいるんだ…)

あっちの世界に自分が居たように。
まさか、こんな所で会えるとは思わなかった。
しかもまた自分を助けてくれた…。

「何階?」
「あ、10階です」
「同じだな」

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