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限りの月
第10章 歪んだ愛
どれくらい経っただろうか…。
いつの間にか眠っていたようで、目を開けると知らない天井が見えた。

(明るい…)

しかもベッドで眠っていたようで、美織は肌触りと温かさにホッとする。

手首を動かすと、ロープも外れていた。
少し跡はついているが、数日経てばすぐ消えるだろう。

「…哲さん?」

美織はベッドから降りて辺りを見回す。
窓を開けると、冷たい空気が入ってきた。

「寒い…」

外は森しか見えない。
反対側も木ばかりで、美織はここがどこなのか知りたくなった。

そして美織が外に出ようとした時、

「起きたのか」

下に続く階段から哲が現れた。

「哲さん…」

美織の顔が強張る。

「美織、疲れただろう? 温かいコーヒーをいれるから座ってろ」

そう笑顔で囁き、美織の背中を押してソファーに座らせた。

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