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限りの月
第10章 歪んだ愛
外は少し肌寒かったので、コートを羽織ることを許してもらった。

「前は開けておけ」

それでもコートがあるのとないのとでは全然違う。
美織は少しホッとすると、車に乗り込んだ。

車は山道をゆっくりと降りていく。
本当に周りは木ばかりで、人影は全くない。

「…っ…」

さっきから美織はシートに座りながら、内股をずっとすり合わせていた。
なぜだか胸がドキドキして、下半身が疼いて仕方がない。

(…私、どうしちゃったの…こんなに感じるなんて…)

胸を上下に動かしながら、美織は吐息を漏らす。

(下着を付けてないだけで、こんなになるものなの…?)

車の振動が下半身に伝わり、それだけでも感じてしまう。

胸の突起もピンと立ち、生地に擦れるたびに下半身が敏感に反応した。

そんな美織の様子を隣でチラチラ見ながら、哲は徐々にアクセルを踏む。

(…媚薬が効きだしたな)

瞳をトロンとさせながらモゾモゾと下半身を動かしている美織の姿を見て、哲の口元が緩んだ。

山道から大きな道に出ると、一軒のコンビニが見える。

「寄るぞ」

哲は駐車場に入り、エンジンを止めた。

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