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限りの月
第10章 歪んだ愛
「美織、コーヒーを買ってこい」
「えっ…さっき飲んだばかりじゃ…」
「買ってこい」
「…」
哲にお金を渡され、美織は仕方なく車を降りた。
生暖かかった股の間を、ひんやりとした風が吹き抜ける。
「…っ」
美織は周りを警戒しながら、店のドアを開けた。
「いらっしゃいませ~」
店長だろうか、
中年の男性店員が1人、レジにいた。
美織はドキドキしながら飲料コーナーに向かう。
幸い、店内にお客さんは1人もいなく、美織はホッとした。
すぐ買って出よう、
そう思った時、携帯が鳴った。
哲からだった。
雑誌コーナーから窓の外を見ると、哲の車が見える。
「はい…」
『美織、俺の姿が見えるか?』
「…はい…」
『その雑誌コーナーから、こっちを向いてスカートを捲れ』
「…っ…!?」
突然の信じられない哲の要求に、美織は絶句する。
『大丈夫だ、客は俺たちしかいないし、店員は反対側を向いている。やるなら今だ』