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限りの月
第10章 歪んだ愛
コンビニの駐車場には何台か車が止まっていた。店の中には数人の客がいる。

「ギャラリーが増えたな」

哲はニヤニヤした。
これから自分の妻が顔を真っ赤にしながらバイブの快感に身悶えるのかと思うと興奮が止まらない。

店員はさっきと同じ奴だ。
きっと妻が店に入った時点で何かが起きると察するだろう。
もしかしたら妻に手を出すかもしれない。
でも出す前に妻を迎えにいく。

「美織……準備はいいか?」

哲はずっと無言のまま俯く美織に振り返った。

「……哲さん、お願い……、こんなこと、もうやめてっ……」

美織は涙目で訴える。
そんな姿を見て、更に哲は興奮した。


自分が頭おかしいという自覚はある。
昔から無理やり女を抱いてきた。イヤイヤと抵抗しながらも、快感を得ると従順になっていく変化を見るのが好きだった。

そして美織もまさに理想的で、出会った時は優しいふりをして美織に近づき、無理やり抱いた。美織を好きな男から奪った。

しかし美織はショックが大きかったせいか、それを覚えていない。



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